同じ職場で「SESやめとけ」と言う30代上司と「全然アリっすよ」と勧める25代先輩、その横で黙って5年続けてる35代同期。
業務SEの現場で、こういう温度差を見たこと無いですか?
X見てても、「SESやめとけ」vs「SESで十分稼げる」で意見が180度割れてる。正直、片側だけ信じて判断すると、後で「逆を聞いとけばよかった」ってなるやつ。
俺自身、客先常駐で4年やってた時期、上司から「やめとけ」と言われ、先輩から「勧める」と言われ、両方の話を聞き比べた経験があります。
そして実際に SES 客先常駐の現場で 2,3 回遭遇した「この人のポジションは厳しいんじゃないか」と感じたパターンが具体的にあって、これも記事中で開示していきます (シニアとセットで入ってるジュニアの構造的問題)。
ってことで今日は、「SESやめとけ」を 8タイプに分類して半分嘘・半分本当を分ける 方法を、業務SE視点でそのまま書く。
TL;DR
-「SESやめとけ」を発言者のタイプで分類すると 8パターン。同じ言葉でも、誰が言ってるかで信ぴょう性が180度変わる
- 半分嘘の部分 = SESの良い面 5つ (案件多様性・上流関わる機会・幅広い技術スタック触れる)
- 半分本当の部分 = 危ないサイン 5つ (案件ガチャ・単価頭打ち・スキル偏り・キャリアコントロール権の客先依存)
- 5質問の判定軸で自分の状況を Stay/Go スコア化して判断するのが現実的
##「やめとけ」を8タイプに分類してみた
同じ「SESやめとけ」でも、誰が言ってるかで意味が全然違う。業務SEの現場でよく聞く発言者を8タイプに分けて、信ぴょう性スコアを付けてみる。

タイプを大別すると 3カテゴリ:
A. 体験ベースで語るタイプ (信ぴょう性 高)
- タイプ① 脱SES経験者で今は事業会社: 比較対象を持ってるので信ぴょう性◎。「SES時代こうだった、事業会社来てこう変わった」という両面比較が出来る
- タイプ② 現役SESで10年以上: 続けてる側の論理を持ってるので「勧める」が出てくる。「俺はうまくいってる」の体感ベース・信ぴょう性○
- タイプ③ 脱SES経験者で今はフリーランス: 比較対象を持ってる + 単価感覚も持ってる。信ぴょう性◎
B. 利害が絡むタイプ (信ぴょう性 中)
- タイプ④ 転職エージェント (SES未経験): SESを「悪い側」として語ると、事業会社への転職紹介が成立しやすい。立場ポジション込みで聞く必要あり・信ぴょう性△
- タイプ⑤ SES営業 (現役): 当然「勧める」側。自社案件への営業バイアス込み・信ぴょう性△
- タイプ⑥ 自社内のSES先輩: 自社の業績を守る立場と新人後輩への思いやりが混じる。信ぴょう性は人による・△〜○
C. 体験なしで語るタイプ (信ぴょう性 低)
- タイプ⑦ SES未経験の事業会社エンジニア:「俺はSES行かなくて良かった」という後付け正当化が混じる。SESの中身を知らずに語る・信ぴょう性×
- タイプ⑧ ネット記事だけ読んで語る人: そもそも体験ゼロ・記事の又聞き。信ぴょう性××
業界では「SESやめとけ」を声高に言う人ほど、タイプ④ や ⑦ ⑧ に偏ってる、と感じる。逆に Stay 側で続けてる人 (タイプ② や ⑥) は静かに続けてて、発信量が少ない構造もある。
「やめとけ」派の声が大きく聞こえるのは、発信量バイアスもある、と頭の片隅に置いておくと判断精度が上がります。「自分にどのタイプの話が刺さってるんやろうか??」って一旦立ち止まると、判断材料の質が一段変わる。8タイプどれが多いか、SNSのタイムライン1日分でも見直す価値ある??
半分嘘の部分 — 実は良い面 5つ
「SESやめとけ」の声に飲まれそうな時、半分嘘の部分も同じくらい大事。業務SEの現場でリアルに効く SES の良い面を5つ挙げる。
① 案件多様性が桁違い
事業会社だと自社プロダクト1〜3本に固定される。SES だと半年〜2年で案件が変わり、業界 (流通・金融・製造・物流) や技術スタック (.NET Framework / Java EE / Spring Boot / SQL Server / Oracle) を横断的に触れる。
業務SE のキャリア前半 (20代〜30代前半) で「自分が何系の業務SE になりたいか」を絞り込む材料が、SES の方が圧倒的に多い。
② 上流関わる機会が意外と多い
「SES = コーディング下請け」のイメージが強いけど、現場リーダー枠で SES が要件定義から入る案件も業界では多い。客先 PM が忙しすぎて要件整理を SES に丸投げ、みたいなパターンが結構ある。
事業会社の新人だと上流まで3〜5年かかるところ、SES なら1〜2年で要件定義 (の補佐) に参加できることがあります。
③ 幅広い技術スタックを触れる
事業会社のレガシー保守だと10年同じ .NET Framework 4.5、みたいな世界に閉じる。SES だと案件ごとに新旧スタックが混在するので、強制的に幅が広がる。
「.NET Framework → .NET Core → .NET 6」みたいな世代移行を案件で踏むと、移行設計の実体験がそのまま市場価値になります。
④ ネットワーク (人脈) が横方向に広がる
事業会社だと縦方向 (社内昇格) の人脈が中心。SES だと案件先ごとに横方向 (他社の業務 SE・PM・PMO) の人脈が広がる。
転職時にこのネットワークが効く場面が多いです。「あの時の案件先 PM が今は事業会社の部長で〜」みたいな縁が、5年後に効いてくるやつ。
⑤ 単価の透明性 (自社次第だが)
事業会社だと「月給」で給与が決まり、案件と給与の関係が見えにくい。SES だと案件単価 (≒ 自分の市場価値) と給与が直結してて、「自分は今月90万で売られてる」が見えるので、単価交渉の根拠が立てやすい。
ただしこれは自社が単価開示してる場合の話。開示してない SES 会社だと逆に「闇」になる、という両面があります。
半分本当の部分 — 危ないサイン 5つ
ここから半分本当の部分。「やめとけ」で言われるリアルな危険信号を5つ。
① 案件ガチャの不確実性
SES の根本リスクが「次の案件が読めない」。案件終了の1ヶ月前に「次の現場決まりました!」と告げられる文化が業界には根強くある。
これ、35歳手前で家族持つと心理的負担がデカい。事業会社なら少なくとも「次のプロジェクトはこれ」が見えてるので、ライフプラン設計しやすい。
② 単価頭打ち (60万→80万→100万の壁)
業界では SES 単価に明確な3つの壁があると言われる。60万・80万・100万の壁。
- 60万の壁: 普通の業務SE が 3〜5年で到達
- 80万の壁: 中堅クラス・8〜10年経験で到達
- 100万の壁: 現場リーダー / 一部技術スタック (クラウド・データ基盤) でしか到達しない
この壁を越えるには、SES 内での実績 + 客先評価 + 自社営業力 の3つが揃う必要があって、一個でも欠けると停滞する構造。
③ スキル偏り (案件ガチャの副作用)
「.NET Framework → .NET Framework → .NET Framework」みたいに同じスタックの案件ばかりアサインされると、5年で市場価値が頭打ちする。案件多様性のメリットの裏返しで、「ハズレ案件続き」だとスキル偏りリスクになる。
自社の営業に「次は別技術の案件で」と言える関係性が築けてるかが鍵。
④ キャリアコントロール権が客先依存
SES の業務評価が客先 PM 主導になると、昇給・昇格が客先評価次第になる構造。これ、別記事 SESと派遣の違いを契約書1枚で見破る方法 でも触れたけど、SES 契約の指揮命令権越境が「気付かないうちにキャリア権が客先に渡る」という形で実害になる。
35歳前後で「自社に戻る場所がない」と気付く人が業界では多いと感じる。
⑤ 35歳以降の案件減少リスク
SES の単価カーブは35歳前後でピークアウトすると言われる。これは「35歳以上の業務SE は単価が高くなって客先が敬遠する」構造で、案件アサインの選択肢が狭まる。
「35歳までに自社の社内ポジション (PMO・営業・教育) に移れるか」「フリーランス転向で単価を維持できるか」の2択を、30代前半で決断する必要があります。
⑥ シニアとセットで入ってるジュニアのポジション (実体験ベース)
これは俺が SES / 客先常駐の現場で 2,3 回遭遇した、リアルに「やめといた方がいい」と感じたパターン。
できるシニアエンジニアとセットで現場に入っているジュニアエンジニア のポジション、これは構造的に厳しい。
理由は単純で、ジュニアが何かやらかした時に その上のシニアエンジニアが結局フォローする 構造になってるから。そうなると「じゃあジュニアって何のために入ってるの?」という話で、結局 SES会社が今後のキャリア形成のためにジュニアを配置してるだけ になります。
このポジションにずっといると、ジュニア側は「自分の責任で意思決定する経験」が積めないまま年数だけ重ねる構造。シニアの後ろに隠れて安全に動けるけど、5年経っても自走できないままになります。
「SES でやめとけ」がリアルに刺さるのは、このシニア+ジュニアセットの構造に長く居続ける場合、と感じてます。8タイプ分類とは別軸ですが、ポジション構造としては最も注意した方が良いやつ。
あなたの「やめとけ」は信じるべきか? — 5つの判定軸
ここまでで「やめとけ」言説のバイアスと SES の両面が見えてきたら、次は自分の状況を Stay/Go で判定する番。5質問の判定フローはこう。

Q1. 過去2年で案件多様性は確保できたか?
YES (異業界 or 異技術スタックを2案件以上経験) なら Stay 寄り。NO (同じスタック / 同じ業界の継続) なら Go 検討。
Q2. 今の単価は同年代SES の中央値より上か?
YES なら自社の営業力 + 自分の市場価値が機能してる証拠で Stay 寄り。NO なら自社か自分のスキルセットに改善余地ありで Go 検討。
Q3. 自社の現場リーダー / 営業との関係性は健全か?
YES (案件選択に自分の希望が通る・単価交渉の窓口がある) なら Stay 寄り。NO (案件押し付けが多い・単価交渉が機能しない) なら Go 寄り。
Q4. 35歳までに目標とするポジション (PMO / フリーランス / 事業会社) は見えてるか?
YES なら現在地が Stay/Go どちらでも経過点として機能する。NO なら現在の SES を続ける目的が無く、Go 検討余地大。
Q5. 家族・住宅ローン等のライフプラン制約はあるか?
YES (家族あり・ローンあり) なら案件ガチャリスクを優先で Go 寄り (事業会社の安定性が効く)。NO なら多様性メリットを優先で Stay でも問題なし。
判定結果はこう。
- 5問中 Stay 4-5個 = Stay 推奨。今の SES で続ける合理性が高い
- 5問中 Stay 2-3個 = Stay/Go 中間。自社内ポジションチェンジ (営業/PMO 等) で改善検討
- 5問中 Stay 0-1個 = Go 推奨。事業会社 or フリーランス転向を本格検討
「やめとけ」を信じるか信じないかの前に、まず自分の状況を5軸でスコア化する。ネットの「やめとけ」言説に振り回されるより、こっちの方がよっぽど判断軸として使えますね。
業務SE 5年の結論 (Stay or Go の判断)
業務SEで SES / 客先常駐 を5年ほど見てきた結論を1段落で書くと、こう。
「SESやめとけ」は7割の人にとって嘘で、3割の人にとって本当。
ここで言う3割は、上の判定フローで Stay 0-1個に該当する人。残りの7割は、自分の判定スコアと「やめとけ」言説のミスマッチで、必要のない不安を抱えてる構造になってる。
業界の発信バイアス (「やめとけ」派の声が大きい) に飲まれず、自分の状況を5軸でスコア化して、Stay 寄りなら堂々と続ける、Go 寄りなら準備してから動く、の二択をクリアに持つことが現実解。こんな感じで判断軸を1個持っとくと、周りの声に揺さぶられにくくなる。
俺自身、「やめとけ」を信じきって早めに離脱した同期と、「全然アリっす」と続けて単価100万超えた先輩、両方を見てきました。違いは「自分の判定軸を持ってたかどうか」だけで、SES そのものの良し悪しではなかった、と感じます。
俺も20代の頃、Q4 (35歳までの目標) が答えられずに2年くらいモヤモヤ続けてた時期があった。判定軸を持つまでが一番しんどいやつ、と今でも思う。あの2年で軸を持てたかどうかで、3年後の自分が全然違うとこに立ってる気がする!!
そしてもう1個、個人的に強く思ってる結論を書きます。
フリーランスとして客先常駐に入り、自分の責任で全コーディング・全意思決定を回せて、お客さんとちゃんと信頼関係が築けているなら、続けても OK。これは⑥で書いた「シニアと一緒に隠れてるジュニア」とは真逆のポジション。「全部自分の責任で動かしてる」状態なら、客先常駐という働き方そのものはむしろ強い。
逆に エージェントや間の会社を通じて、そういう現場 (シニアとセットでフォローされる側) に入り続けるパターンはこれから減っていく、と肌で感じてます。AI で代替できる「言われたコードを書くだけ」のジュニア役割は構造的に縮小する。
なので「Stay か Go か」の二択だけでなく、「自分で仕事を見つけて動いていけるか」という第三の動き方 が、30代以降の SES 業務SE には大事になってくる、というのが俺の現時点の結論です。
まとめ
「SESやめとけ」言説は、発言者タイプで信ぴょう性が180度変わる。
- 8タイプ分類で発言者の立場とバイアスを見極める
- 半分嘘の部分 (案件多様性・上流関与・幅広い技術スタック・横方向ネットワーク・単価透明性) も同じくらい大事
- 半分本当の部分 (案件ガチャ・単価頭打ち・スキル偏り・キャリアコントロール権客先依存・35歳ピークアウト) は5軸で自分のリスクをスコア化
- Stay/Go 判定フロー5質問で自分の状況を機械的に判定するのが現実的
「やめとけ」を信じる前に、まず自分の状況を5軸で見る。ネットの大きな声に流されるより、はるかに精度高く判断できますね。知っとくだけで損しないやつ!!
よくある質問
Q1. SESはやめとけと言われますが本当にやめるべきですか?
発言者のタイプによります。同じ職場で「やめとけ」と言う上司と「勧める」先輩がいる現場は珍しくない。8タイプに分類すると、信ぴょう性が高いのは「脱SES経験者で今は事業会社」タイプ、信ぴょう性が低いのは「SESを経験せずに語る転職エージェント」タイプ。発言者の立場を見て情報を仕分けることが先です。
Q2. 客先常駐の何が問題なんですか?
客先常駐そのものは問題ではなく、「契約形態の認識ズレ」「単価交渉の不透明性」「スキル偏り」の3つが個別に問題化することがあります。客先常駐 = 悪、という単一の図式ではなく、3つのリスクを個別に評価する目線が必要っす。
Q3. 業務SEはSESを続けるか辞めるか、どっちが正解ですか?
正解は無く、判定軸5つ (案件多様性 / 単価上昇カーブ / スキル方向性 / 自社関係性 / 35歳までの実績) で自分の状況をスコア化して判断するのが現実的。記事中のStay/Go フローチャートを使ってみてください。
Q4. SES営業が「うちは違う」と言うのは信じていいですか?
タイプ⑤ (SES営業・現役) は構造的に自社案件を勧める立場なので、言葉そのものを信じるよりも「具体的に他社と何が違うか」を数字 (単価開示の有無・案件選択の自由度・35歳以上の現役SE 比率) で聞くのが鍵です。
Q5. なぜ「SESやめとけ」派の声が大きく聞こえるんですか?
発信量バイアスがあります。SES で順調に続けてる人 (タイプ② や ⑥) は静かに続けていて発信量が少なく、離脱した人 (タイプ① や ⑦) の方が「やめてよかった」発信を多くする構造。結果、ネット上では「やめとけ」派の声が過大に聞こえる、という非対称が業界では起きてます。
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以上!
執筆者
バイブス父さん — 業務 SE 7 年 (正社員 2 / フリーランス 5)。 現職は SEO 直轄部の AI アドバイザー兼 PL、 副業で中小 SIer の CTO。 SES 複数社・フリーランスエージェント複数経由の経験ベースで「業務 SE 視点」 の技術 + キャリア記事を書いています。
🐦 X: @hiro_progra0524 (日々の現場メモ更新中)
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