C#業務SEの学び直しロードマップ
WinForms・DataTable・SQL Server を仕事で使う人向けに、俺が C# を学び直した順番。
このページが要る人・要らない人
要る人: C# 7.3 前後 / .NET Framework / Visual Studio 2017〜2019 の現場で、DataAdapter と DataTable と生 SQL で業務システムを保守していて、「動くものは書けるが、設計を教わったことがない」人。 後輩に「なんでそう書くんですか」と聞かれて言葉に詰まった経験がある人。
要らない人: .NET 8 以降 + ASP.NET Core + EF Core で新規開発している人 (講座の題材が古く感じる)。 TypeScript / React に軸足を移したい人 (この講師は Web フロントの講座を持っていない)。 転職・単価の話を探している人 (それはこっちの記事)。
俺の話: なぜこの講師なのか
俺がこの講師の講座を受けたのは 2020 年頃、SIer に入って C# を書き始めた時期だ。 現場は WinForms がメインで、.NET Framework の業務アプリを保守しながら機能を足す毎日。 文法は書けるようになってきたが、周りは「オブジェクト指向って何それ美味しいの」という空気か、 逆に凝り固まった書き方しかない現場で、インターフェースもドメインモデルも、聞ける人がいなかった。
目的は 2 つあった。C# のスキルそのものを上げること。もう 1 つは、現場にいるだけでは 出てこない「新しい概念」を知ること。ピーコックアンダーソンを選んだのは、題材が最初から 最後まで WinForms + SQL Server で、俺の現場とそのまま重なっていたからだ。 オブジェクト指向、WinForms、SQL Server、DDD と、当時出ていた講座はかなり幅広く受けた。
一番効いたのは、WinForms 編にある「家計簿アプリを作ってみよう」だった。講座どおりに 一度作ってから、同じ作り方を仕事の保険会社向けの業務アプリに持ち込んで、事故の状況を 説明する書類をアプリの中で作れる機能を実装した。講座で見たものが、そのまま仕事のコードに なった。客先には相当喜んでもらえて、この 1 件で社内での見られ方が変わった。 オブジェクト指向の講座は説明が分かりやすく、WinForms の講座は「こういう使い方があるのか」 「こういう動きをするのか」が毎回あって、業務にすぐ活かせた。
正直に言うと、俺自身は「役に立たなかった講座」を挙げられない。C# を書いている人なら、 とりあえず一度見てみたらいい、と本気で思っている。下の「向かないところ」は、 今の目で見直して先に知っておいた方がいい点として書いた。
あとから効いてきたことの方が大きい。DDD やインターフェースの考え方は、いま TypeScript で 仕事をしていてもそのまま使っている。レガシーな現場ほど、こういう「設計の言葉」を持っている 人が少ない。学んだことを現場に持ち込むだけで「あの人はできる」という評価になり、 俺はそれで社内の信頼を得た。受講者レビューを今読み返しても、「製造業の社内 SE で設計を 教わる相手がいない」「VB.NET から C# に移った」「20 年物のシステムを引き継いだ」という人が多い。 つまり、このブログの読者と同じ人たちが買っている。
全講座が 定価 ¥2,600、Udemy のセール時は ¥1,500 前後。技術書 1 冊分の値段で 2〜3 講座買える。
ロードマップ: 今の現場のまま一段上がる 4 段
順番に意味がある。1 段目から入ると、今の保守コードを一行も捨てずに始められる。 4 段全部で動画は 12 時間弱。通勤の往復と昼休みで 1 か月あれば見終わる。
01. 症状: DataAdapter + DataTable + 生 SQL で全部書いている
月曜から変わること: DataTable / SqlDataReader / Dapper / EF の 4 方式を同じ題材で比べているので、「今の現場のやり方が 4 つのうちどれで、次に何を足せば楽になるか」が言える。DataTable を捨てろとは言わない講座なので、明日の保守にそのまま持ち込める。
先にブログで読んでおくと講座が速い: DataAdapter の Fill / Update で詰まったところ / DataTable を LINQ で扱う 3 パターン / DataGridView と DataTable の連携
02. 症状: Form のコードビハインドが 3,000 行を超えていて、直すのが怖い
月曜から変わること: WinForms を作り直さずに、画面のロジックを ViewModel に逃がしてテストを書けるようにする手順。WinForms 自体が浅いなら、俺が仕事に持ち込んだ家計簿アプリを作る入門編(『経験ゼロから…Windows Forms 編』)から入る方が早い。
先にブログで読んでおくと講座が速い: DataGridView の編集モード / BackgroundWorker から async/await へ / コールバックと delegate
03. 症状: クラスは書けるが「どこで割るか」の判断ができない
月曜から変わること: 単一責務とオープンクローズド、この 2 つだけで肥大化した Form クラスの割り方が決まる。SOLID を 5 つ全部覚える必要はなくて、まず 2 つ。入門から入るなら先に『C#でオブジェクト指向をする方法』(1.5 時間)。
先にブログで読んでおくと講座が速い: プロパティとフィールドの違い / インターフェースを使う場面 / 例外処理の判断軸
04. 症状: クエリが遅い。実行プランは開いたことがある、が読めない
月曜から変わること: インデックスが効く / 効かない条件を、実行プランを見ながら 2 時間弱で。SQL Server 記事でよく読まれている「実行プラン」「OPTION (RECOMPILE)」の話は、この講座の前提知識があると半分の時間で読める。
先にブログで読んでおくと講座が速い: 推定実行プランと実際の実行プランの違い / OPTION (RECOMPILE) の罠 / カーソルを使う場面と使わない場面
俺ならこの順で 3 本買う
全部は要らない。予算が講座 3 本分 (セール時なら技術書 1 冊分) なら、この 3 本。 「データアクセス → 設計の判断軸 → クエリの速さ」の順で、保守の仕事で毎週使う順に並べた。
症状別の補足
- LINQ を「なんとなく」で書いている → C#文法:C#でラムダ式を書く方法Part2【LINQのクエリ構文とラムダ式マスター編】Udemy・3h・★4.4 (572 件)・中級
- delegate / Func / ラムダの関係が腹落ちしていない → C#文法:C#でラムダ式を書く方法Part1【基礎編】Udemy・1h55m・★4.7 (1,105 件)・中級
- 画面が固まる。BackgroundWorker を卒業したい → C#文法:C#で非同期プログラミングをする方法Udemy・57m・★4.4 (1,139 件)・中級
- テストコードを一度も書いたことがない → C#でテスト駆動開発【TDD】をする方法Udemy・2h29m・★4.3 (811 件)・中級
- レガシーを直す前に「読める」にしたい → リーダブルコード:C#で読みやすいコードを書く50の方法Udemy・3h17m・★4.2 (1,197 件)・中級
- VB.NET 出身の後輩に C# を教える → C#文法1:C#で最初に身に着けるべき30の文法Udemy・5h43m・★4.3 (2,451 件)・入門
- テーブル設計を任されたが正規化が怪しい → データベース講座1:データベース論理設計Udemy・1h15m・★4.3 (2,744 件)・入門
- WinForms から WPF へ移る話が出ている → C#のWPFでXAMLを書く方法Udemy・4h17m・★4.2 (659 件)・入門
向かないところも書いておく
俺自身は不満が無かったが、2026 年の目で見直すと、先に知っておいた方がいい点はある。
- .NET Framework / VS2017〜2019 前提の講座が多い。 田村のような現場には むしろ一致するが、「最新の C#」を学ぶ場所ではない。C# 12 以降の文法は Microsoft Learn で補う。
- ドメイン駆動開発パート 1 は 9.5 時間で冗長。 評価も 4.0 と講師の中では低い。 DDD が必要になってから、パート 3 (WPF + Prism) とセットで見る方がいい。
- 例外設計・リファクタリング・レガシー改善の専用講座は無い。 講師自身が 7 ステップに 掲げているが未制作。そこはこのブログの記事で埋める (上の関連記事)。
- Web は Blazor のみ。 ASP.NET Core MVC / Web API / TypeScript の講座は無い。
Microsoft Learn や本と比べてどうか
Microsoft Learn は正確で無料だが、「現場の DataTable コードをどう直すか」は書いていない。 『Effective C#』や『現場で役立つシステム設計の原則』は判断軸を鍛えるのに良いが、 WinForms の画面をどう割るかの手つきは動画の方が早い。 俺の使い分けは、手つきは講座・判断軸は本・仕様は Learn。
よくある質問
ピーコックアンダーソンとは誰か
C# 歴 20 年の現役プログラマー (本名・社名は非公開) で、2018 年から Udemy で講座を出している。 2026 年 9 月時点で公開講座 50 本、受講者 62,000 人超、レビュー 30,000 件超。 ブログ (anderson02.com) と YouTube もあるが、体系的に学ぶなら Udemy 講座が本体。
セールはいつか
Udemy 全体のセールが月に 2〜3 回ある。定価 ¥2,600 が ¥1,500〜1,800 になる。急ぎでなければセールを待てばいい。このページの価格表示は 確認できた期間だけ出すようにしていて、期限を過ぎたら自動で消える。
講師のクーポンは使えるか
講師が過去に配っていたクーポンは 2026 年 9 月時点で全て失効していた。 Udemy のセール価格の方が安いことが多いので、クーポンを探す時間は要らない。
受講した後、次は何をすればいいか
講座の題材を、自分の現場のコードに 1 か所だけ当てる。全部直そうとしない。 それができたら「技術+α」の棚卸しをして、自分が現場で何を売れるかを言葉にする。 その手順は こっちの記事 に書いた。