動くコード図鑑技術記事現場の渡り方キャリア論すべての記事About
キャリア論

「SES辞めたい」と検索した業務SEが、勢いで動く前に整理する3つの判断軸

バイブス父さん
現役の業務SE
2026年7月19日10 min read
「SES辞めたい」と検索した業務SEが、勢いで動く前に整理する3つの判断軸

みなさんこんにちは!ヒロポンです!

「SES 辞めたい」。

週末の夜、布団の中でこれを検索してる。その時点で、お前だけじゃないです。

X 見てると、ほんま多いんだよな。客先でどれだけ評価されても、予算が切れた瞬間に契約終了。「結局、調整弁かよ」って声。未経験で入って単価の安い現場に放り込まれて、辞めたいのに営業に引き止められて詰む、って話も流れてくる。入って2週間でミスマッチに気づいたのに、退場を拒否られて、最終的に診断書を出してやっと抜けた。そんな人もいた。

全部、別々の人の話です。でも「SES 辞めたい」に行き着く理由って、不思議とこのへんに集まる。

で、ここで勢いよく辞表を叩きつける前に、いっぺん落ち着いて整理しといたほうがいいことが3つあります。今日はその話を、煽らずに書きます。

忙しい人向けに最初にまとめ

  • 判断軸1: 原因を切り分ける — 辞めたいのは「案件」が嫌なのか「単価」が低いのか「人間関係」か。これで打ち手が変わる(現場替えで済む話を、会社ごと辞めて損することがある)。
  • 判断軸2: 単価が相場とズレてないか — 客先請求と自分の給料の差を見る。単価が原因なら、辞める前に交渉 or エージェントで相場確認。
  • 判断軸3: 辞めた後の選択肢を3つ並べる — 転職 / 社内SE / フリーランス。年収の上がり方・安定度・案件を選べるかで向き不向きが分かれる。

先に言っておく。俺は「今すぐ独立しろ」とは言いません。むしろ勢いで動くのがいちばん危ない。順番に行きます。

なぜ「辞めたい」に行き着くのか — 業界構造を冷静に見る

SES が嫌になるのは、たいてい個人の問題じゃない。構造の問題です。

業務系の SES だと、客先常駐4年目くらいで額面520万。手取りにすると月32万前後。残業は月40〜60時間。そういう現場が珍しくない。技術は枯れてて、AI も現場じゃ触れない。同期は転職して年収が上がったらしい、という話だけが耳に入ってくる。ん?なんで自分だけ取り残されてるんやろ??ってなる。

そりゃ「辞めたい」ってなります。なって当然です。

ただ、ここで大事なのは、「辞めたい」という感情と「辞めるべきか」という判断を、いったん切り離すこと。感情のまま動くと、原因がズレたまま転職して、結局また同じような現場に着地することがあるんですよね。こんな感じの「辞めたのに何も変わってない」が、いちばんもったいない。

だから、感情はそのまま受け止めつつ、判断のほうは3つの軸で冷静にやる。

勢いで動く前に — 3つの判断軸

判断軸を先に一覧で出しときます。週末に布団で読むなら、ここだけでも持って帰ってください。

  1. 原因の切り分け — 案件 / 単価 / 人間関係 のどれが本丸か
  2. 単価の相場チェック — 今の自分の市場価値とズレてないか
  3. 辞めた後の選択肢 — 転職 / 社内SE / フリーランス を並べて比べる

ひとつずつ降ろします。

判断軸1: 辞めたい原因は「案件」か「単価」か「人間関係」か

いちばん最初にやってほしいのがこれ。「何が嫌で辞めたいのか」を1個に絞る

辞めたい理由って、だいたい混ざってます。仕事もつまらんし、給料も安いし、上司も合わない。全部嫌だ。分かります、その気持ちは。でも、全部まとめて「SES が嫌」にすると、打ち手を間違える。

  • 案件(技術・業務内容)が嫌 → 会社を辞めなくても、営業に「次は別の現場で」と相談すれば変わることがある。会社ごと辞めるのは、現場を替えても無理だった時でいい。
  • 単価(給料)が低い → これは軸2で詳しく見ます。辞める前に交渉の余地があることが多い。
  • 人間関係 → 客先の人間関係なら、現場替えで消える。自社の営業や上司なら、これは会社を変える理由になりうる。

ポイントは、現場を替えれば消える不満で、会社ごと辞めて損しないこと。SES って、「辞める=転職」じゃなくて「現場を替える」という中間の選択肢があるんですよね。ここを飛ばして辞表を出すと、もったいないことがある。

俺がフリーランスで案件相談を受ける時も、最初に決まって聞くのがこれです。「何が、いちばん、嫌ですか」って。だいたいみんな最初は「全部」って言うんだけど、掘っていくと、本丸は意外とこんな感じで1個に絞れたりする。

判断軸2: 今の単価は相場とズレてないか

次が単価。辞めたい理由が「給料」なら、ここは辞める前に見ておいてほしい。

SES の給料が安く感じるのは、客先への請求額と、自分の給料の差が原因のことが多い。客先には月60万で請求されてるのに、自分の手取りは32万。え、そんなに抜かれてるん??って思うよね。差額は会社の取り分です。これ自体は会社が営業や保証をしてる対価だから、一概に悪じゃない。ただ、差が大きすぎるなら、単価が「辞めたい」の本丸かもしれない。

確認の仕方は2つ。

ひとつは、自社の営業に単価を聞く。教えてくれない会社も多いけど、聞くだけ聞く価値はある。もうひとつが、レバテックみたいなエージェントの公開案件で、自分のスキルセットの相場を見る。「C# / SQL Server / 5年」で今いくらの案件が出てるか。これが、今の自分の市場価値の目安になります。

ここで相場より明らかに低いなら、打ち手は「辞める」じゃなくて、まず「上げる」かもしれない。単価の上げ方そのものは別記事(SESの単価を60→80→100万に上げるスキルマップ)にまとめてるので、給料が本丸の人はそっちを先に見てください。

正直に書くと、俺自身は SES の常駐経験がない。SIer の正社員を2年やって独立したクチです。だから「常駐がつらい」の当事者じゃない。ただ、独立してから単価の交渉は何度もやってきた。最初の案件は月60万、そこから少しずつ上げて、今は並行稼働で月132万まで来ました。

この数字を出すのは「だから独立しろ」って煽りたいわけじゃない。単価って、行動で動く数字なんだよってことを言いたいから。今の現場で交渉しても、転職しても、独立しても、上げる手はある。辞めたい衝動を、単価を上げる行動に変換できるかどうか。そこが分かれ目です。

判断軸3: 辞めた後の選択肢を3つ並べる

3つめ。実際に「辞める」と決めたとして、次にどこへ行くか。選択肢は大きく3つです。

衝動で辞める人は、ここを考えずに辞めてから探す。だから足元を見られる。先に並べて、向き不向きを見ておきましょう。

SESを辞めた後の選択肢を、転職・社内SE・フリーランスの3つで、年収の上がり方・安定度・案件を選べるか・向いてる人・必要なもので比較した早見表

強い / 良い / 場合による / × 弱い / ! 要覚悟。

ざっくり言うと、環境だけ変えたいなら転職、腰を据えたいなら社内SE、単価と裁量が欲しいならフリー。いい感じで並べると、自分がどれ向きか見えてくる。

ひとつだけ釘を刺しておく。フリーランスは年収の上限が高いぶん、安定は自己責任です。家族がいて、家でコードを書く余力もない状態で勢いで独立すると、しんどい。俺は「いつか独立したい」人にはいつも言ってます。「会社にいるうちに、副業でもいいから一回、外で稼いでみてから」って。

俺の場合はこうした(当事者じゃないから言えること)

正直に書くと、俺は SES 常駐の経験がない。だから「辞めたい」の痛みそのものを、当事者として語ることはできません。SIer の正社員を2年やって、わりと勢いで独立した側です。

ただ、独立してから、SES で消耗して相談に来る業務SEを何人も見てきました。そこで気づいたことがある。辞めて良かった人と、辞めて後悔した人の差は、「辞める前に3軸を整理してたか」だけだった。これ、ほんとにそれだけ。

後悔してた人は、だいたい感情のまま辞めて、原因がズレたまま次に行ってた。「人間関係が嫌で辞めたのに、給料の問題は何も解決してなかった」みたいに。逆にうまくいった人は、辞める前に「自分の本丸はこれ」「相場はこれ」「次の選択肢はこれ」を、紙に書き出すくらい冷静だった。

だから俺がこの記事でやりたいのは、煽って独立に押し出すことじゃない。お前が冷静に3軸を整理する、その手伝いです。辞めるのも、残るのも、それで決めたなら正解。

自己診断チェックリスト

布団の中でもできる、5項目の自己診断を置いときます。3つ以上「いいえ」なら、まだ動くタイミングじゃないかも。

  • 辞めたい原因を「案件 / 単価 / 人間関係」のどれか1個に絞れている
  • その原因は、現場を替えるだけでは消えないと確認した
  • 自分のスキルセットの相場を、エージェントの公開案件で見た
  • 辞めた後の選択肢(転職 / 社内SE / フリー)を具体的に1つ以上イメージできる
  • 勢いではなく、3日以上たっても同じ結論だと確認した

まとめ

「SES 辞めたい」は、感情としては正しい。我慢し続けろとは言いません。

ただ、勢いで辞表を出す前に、この3つだけ整理してください。

  • 原因を1個に絞る — 案件か単価か人間関係か
  • 単価の相場を見る — 辞める前に「上げる」手があるかもしれない
  • 辞めた後の選択肢を並べる — 転職 / 社内SE / フリーを冷静に比べる

これをやってから出した結論なら、辞めるのも残るのも、どっちも正解です。感情はそのまま、判断だけ冷静に。それができたら、お前はもう「勢いで動く人」じゃない!!

よくある質問

Q1. 辞めたいですが、次が決まってないのに辞めるのは危険ですか?

危険です。特に SES は「辞める=無職」になりやすいので、在籍中に動くのが鉄則です。まずは現場替えの相談や、エージェントでの相場確認など、辞めずにできることから始めてください。次の選択肢が1つ以上見えてから辞表を出しても、遅くありません。

Q2. 単価が低いか自分で判断できません。どう確認すればいいですか?

自分のスキルセット(言語・経験年数・担当領域)で、レバテックなどのエージェントの公開案件を検索して、提示単価の相場を見るのが一番早いです。客先請求額が分かるなら、それと自分の給料の差も見ます。差が業界平均より大きいなら、単価が辞めたい理由の本丸かもしれません。

Q3. フリーランスになれば年収は上がりますか?

上がる可能性はありますが、保証はありません。年収の上限は高い一方で、案件が途切れれば収入はゼロです。スキル・営業力・覚悟の3つが揃ってから動くのが安全で、家族がいるなら特に、在籍中の副業などで一度、外の単価を経験してから判断するのをおすすめします。

Q4. 客先常駐がつらいだけなら、転職より現場替えの方がいいですか?

つらさの原因が「その現場」にあるなら、まず自社の営業に現場替えを相談する価値があります。会社ごと辞めるのは、現場を替えても解決しなかった時で十分です。ただし、営業や自社の体制そのものが原因なら、それは転職を検討する理由になります。

次に読むべき記事

同じように週末に「SES 辞めたい」で検索してる同業がいたら、この記事ぶん投げてやってください。どんどんシェア待ってるぜ!!

以上!

執筆者

バイブス父さん — 業務 SE 7 年 (SIer 正社員 2 / フリーランス 5)。現職は SEO 直轄部の AI アドバイザー兼 PL、副業で中小 SIer の CTO。SIer の正社員からフリーランスに転じ、複数のエージェント経由で案件を回してきた経験ベースで「業務 SE 視点」の技術 + キャリア記事を書いています。

🐦 X: @hiro_progra0524 (日々の現場メモ更新中)
📝 About Me で経歴詳細を見る


この記事のコードと手順は ぜんぶ動作検証済み。 安心して現場で試してくれ。
バイブス父さん

現役の業務SE。C# / SQL Server 保守の現場から、コードも人もキャリアも全部書く。 実体験ベース。

運営者について